ネット時代はプレスリリースがそのまま掲載のリスク?
ネット時代のプレスリリースは、記者の手も触れずそのまま掲載される可能性があることを留意してください。
本来、メディアへプレスリリースを送る場合、企業が消費者に伝えたい情報の多くは、プレスリリースを読んだ記者が書いた文章によって(良くも悪くも)翻訳されて伝えられます。
しかし、ネット時代では、ネットリリースの仕組みやライターの質などにより、このプロセスを経ることなく、プレスリリースに書いた内容がほぼそのまま掲載されて多くの人の目に触れることがあるのです。
そのためプレスリリースを書く人の責任は重要です。専門用語まみれのプレスリリースでは読者の心を動かせませんし、クオリティが低すぎて、下手をすると間違った情報が自社発表の情報として掲載されてしまうことになるからです。(容易には修正ができないことも問題)
記者が記事にする場合であっても
いくら熟練の記者であっても、プレスリリースに書かれたソースのクオリティが高くなければ、読者に関心を持たせる記事を書くのは困難です。そもそもでいうと、専門用語や誤字脱字だらけで翻訳に手間のかかるプレスリリースを取り上げようとは思わないのが情報の速報性が求められるネット時代の必然だったりします。
しかしクオリティといっても、何に気を付けると良いのか分からない人もいるでしょう。
重要なのは、記者にプレスリリースの内容をしっかり理解してもらうことです。記者の多くは専門知識を勉強している方が多いですが、新人記者や、少し専門を外れた記者など、専門用語に疎い人も少なくありません。
フツーの人にも分かる内容が望ましい
まったくの部外者でも理解できるようにすることが大切です。そのため言葉遣いはなるべく平易にするのが鉄則といえます。自覚のない専門用語に注意しなければなりません。自社では当たり前の言葉であっても、部外者にとっては初耳の言葉は実は多かったりします。
専門用語が多い文章は誤解を招きやすいので良くありません。リリースの前に業界外の人に一度見せるのも良いでしょう。読みにくいと言われたら、時間がかかっても修正したほうが良いです。
客観視が入るクロスチェックも重要
また最も基本的なことですが、プレスリリースの内容に間違いがあってはいけません。複数の目でクロスチェックをしてからリリースすることもおすすめです。
客観的な視点を入れてチェックすることで、見逃していたミスが見つかることも多々あり、クオリティが高まります。一般的に記者が記事を書くときは客観性を重視します。ブログなどの記事とは異なり、消費者に正確な情報を伝える必要があるからです。
そのためプレスリリースが主観で書かれたものだと、記者はどのように記事にすれば良いのか困ってしまいます。主観が強すぎると判断されると、「これは売り込みのチラシだ」と判断され、プレスリリースに懐疑的になってしまうかもしれません。
専門用語を使って良い場合もある
何らかの事情で業界紙や専門誌にだけピンポイントでプレスリリースを出す場合は、専門用語を使ったほうが理解のスピードが高まる場合もあります。
しかし、この場合であっても、このプレスリリースを読むのは誰なのか?どこに掲載される意図があるのか?を改めて意識して、相手にわかりやすいように思いやりを持って書くことが重要です。